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色々と深く考えるクセをつけたいので、アウトプットの場としてブログを綴ることにしました。
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「夜と霧」

“言語を絶する感動”と評されるほどの名作とは知らず、
父から「心理学の入門的な本らしいよ」と薦められるままに
なんとなく読み始めたこの本。

今この苦しい時期に読んでよかった。

チスの強制収容所での壮絶な体験に関する心理分析の本で、
舞台は特定された具体的なものだけれど、
著者が描いたそこでの人間行動や心理、導き出された人生哲学は
現代の日本での私の生活にも十分近づけて考えられる。

例えば、被収容者の恩赦妄想という心理。
恩赦妄想とは死刑を宣告された者が
処刑の直前に「土壇場で自分は恩赦されるのだ」と空想するような病像のことだという。
それと同じく、著者が初めて列車でアウシュヴィッツに連れてこられた時、
彼も含めて大半の人々が収容所の悪評を耳にしていたにも関わらず
「まさか自分がそこまでの目にあうわけがない。」
というような希望的楽観をしていたらしい。

これって例えば
会社でリストラ実施の噂を耳にしたけれど、
まさか正社員の自分が切られるわけないと思ったり
最近冷たい彼氏から話があると呼び出されたけど
まさか自分が振られるわけないと信じたりすることだと思うのだけど、
「あの時の自分って恩赦妄想におちいってたんだ・・」
と思い当たる人も多いんじゃないでしょうか。(ええ、私もそうです)

著者たち被収容者の恩赦妄想は史実通り裏切られ、
収容所では劣悪な環境下で働かされた挙句いとも簡単に命を奪われていく。

のなかで著者は解放まで奇跡的に生き残る。
印象に残った記述がふたつ。

ひとつは、長い収容所生活で心身ともに消耗しきった被収容者にとって
「希望」を持つことが唯一苦境に耐える上での頼りだったということ。
ある者にとっては一本の木を友達と思いこむことだったり、
ある者にとっては夢の中でお告げされた解放日の日付であったり、
著者自身は妻(生死は分からない)の姿を思い浮かべることだった。
私は人間にとって一番大切なものは「希望」、
一番悪いのは「絶望」だと思っていて、
さらにその思いが強くなりました。

ふたつめは、多くの被収容者が
「収容所を生きしのぐことができるか。できないのならこの苦しみに意味はない」
と考えていたのに対して、
著者自身は
「私達をとりまくこの苦しみや死に意味があるのか。無意味なら生きしのぐ意味はない」
と考えていたことだ。
だから著者は他の被収容者のように自暴自棄になったり、卑劣になったりせず、
冷静に苦しみの中に意味を見出そうとする。
周りと同じ境遇にいながら、なんて崇高な考え方ができるんだろうと思う。

だったらどうなっていたか?今の自分は苦境にどう向かっているか?と思うと
あまりにも自分が情けなく、腐った気分だと気づくのですが、
まさにそういう時に読んだから胸に響くのです。
壮絶な体験に耐えた著者の精神性に触れることで
心が洗われるというか、気高い自分に近づけるというか。

そういう意味で人生の時々に読み返したい本だと思った。


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2009/12/27


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